シャイな友達がしてくれたこと

グローブと空
俺が高校生の時、当時付き合っていた子がいて学校でも公認のカップルでした。
その女の子は俺が初めて付き合った子ですごく惚れていました。
笑顔がかわいい女の子で誰にでも優しくて人気がありました。
だからこそ、告白してOKをもらったときはすごく嬉しかったんです。

俺はできるだけ彼女にお金を使わせないように頑張りました。
なにせ当時の俺は野球をしていて部活ばかりでお金は小遣い程度でたいした持っていませんでした。
だからコンビニで早朝のバイトをして何とかデート代を稼いでいたんです。
でもそれが仲が良かったBにばれて、バイトする時間があったら野球の練習をしろと怒られました。
だけど、その時彼女のデート代のために稼いでるとはどうしても言えませんでした。
男のプライドっていうか、そういうものがあったんです。
だからその時は大げんかになりました。
そのBとは小学校からの野球仲間でお互い頑張ってきました。
だけど実際恋愛となるとBはそれほど興味なかったのか、俺に彼女ができた時も反応も薄いものでした。
たぶん、Bにとっては野球だけ頑張れという思いがあったんだと思います。
恋愛とかバイトとかそういうのに時間をとっている俺が許せなかったんだ、彼女がいる俺に嫉妬しているんだと思い込んでいました。
当時を振り返ると確かにあの時は野球一筋で頑張っている友達がほとんどでした。

大げんかになってからは口もきかず、部活中もお互い無視しているとういうか関わらないようにしていました。
俺は部活中心で頑張っているつもりだったのに、なんでバイトのことまであいつに言われないといけないんだと腹が立っていました。
でもしばらくして彼女の方から話があると言われて聞いてみると、早朝バイトの件を色々言われてしまいました。
私のためにしているのだったら無理しないでほしいと頼まれました。あんな怒った彼女を見るのは初めてでした。
別にデートなんて公園とかでいいからとにかくバイトをやめて部活を頑張ってほしいと言われました。その時はよくできた女の子だと彼女に対して惚れ直しました。
その出来事にBが絡んでいるとは全く知らないまま、俺は彼女の言う通りバイトをやめて部活をとにかく頑張ることに決めました。

それからは部活に打ち込みつつ、彼女とは仲良くやっていました。でも彼女が遠くの大学を受けるということを決めてからはたいして会えなくて自然消滅というかそんな状態でした。
俺は部活、彼女は勉強を頑張っていたのでなんとなく会う時間も減っていきました。
部活は甲子園に行くということはできなかったものの、今までで一番試合成績がいい状態で引退できたことは今でも良かったと思っています。

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そして高校を卒業して数日後彼女から連絡があり、一度会うことになりました。
目標にしていた大学も受かり、もう少しで引っ越しをすると言うことを聞きました。中途半端な形で別れたくなかったから色々話をしたかったと言われました。
お互い、これからも頑張ろうとそういう気持ちを伝え合い、友達として連絡とか取り合えたらいいねと話をしてました。

でもどうしても伝えたかったことがもう一つあると言われたんです。
それがBのことでした。
実は俺がバイトをしていたことを彼女に教えたのはBだったらしいんです。
あいつは頑張りすぎると何でも頑張るからと本当に俺のことを心配していたと彼女に言われました。
だから彼女から俺がバイトをやめるように説得してほしいとBに言われたそうです。
バイトに部活に彼女に・・・と俺はあの時頑張りすぎていたのは確かでした。
Bから女子と話すことなんて見たこともないくらいだったんで俺の彼女に話しかけるなんて想像もつきませんでした。
正直、Bにとってはすごく勇気がいることだったと思います。
彼女はBに口止めされていて今まで言わなかったけどどうしてもそのことだけは伝えたかったと言われました。
俺はあの時、どうしてもっとBと話をしなかったのか、子どもだったことを後悔しました。

それから俺とBはその後同じ大学だったので普通に話す仲に戻っています。
飲みに行ったりして仲もいい方です。
俺はあの時のことを謝ろうかどうしようか迷いましたが、結局Bにはまだ何も言ってません。
例え言ったとしてもBならきっとそんなこと言った覚えはないとかなんとか言って、はぐらかすんだろうなあと思えたからです。
ただあの時のことはずっと俺の中でBへの借りになってます。
まだBはたぶんですが恋愛はしていません。
相変らず、そういう話をするとシャイすぎて無口になります。
だから俺はもしBにそういう子が現れたら今度は全力でサポートするつもりです。
その時こそが俺がBに借りを返すことができると思っているんです(笑)

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今時ジョータ笑顔
きっとシャイなBにとっては、君の彼女にお願いすることも大きな勇気が必要だったに違いない。
それだけ心から心配していたんだろうね。